いのちまるごと
いのちまるごと
4月の給食から玄米食が、いよいよスタートしました!週3日程度3歳以上児の子どもたちの給食のご飯は、ガス圧力釜で炊いた玄米ごはんとなりました。ちなみに未満児の子どもたちは、今まで通り5分づき米、離乳食のおかゆは白米で、お米はすべて農業福島園さん(宗像市光岡)の無農薬無化学肥料の有機米を頂いています。
園では2、3年前から、給食の先生たちと一緒に玄米食の検討を始め、玄米食に取り組まれている、(「はなちゃんのみそ汁」で有名な)高取保育園さんや福岡市の庄ひかり保育園さんなどに、職員数名で見学視察に行かせてもらいました。現代の課題や子どもたちへの願い、食についての考え方や創意工夫など、大変教えられるとともに、給食室の流れや調理器具なども見学でき、それぞれの園の給食の先生方の話も聞かせて頂きました。
そうしながらも、園にとって最大の課題は、必要な分量の玄米を安心安全に炊ける炊飯釜が中々見つからないことでした。コンロで炊くタイプではなく、独立した据え置きの圧力釜でないと、重すぎて毎日の業務が大変ですし、容量がないと一日に何回も炊くわけにはいきません。そうした中、思いがけないつながりから、希望通りのガス釜にであい、職員で試食するなど試験運転にも十分時間を取って、ようやく実現したのです。
さっそく、保護者の方から連絡帳で「我が子がおうちで玄米の話をしてくれます」「よく噛んで食べるようになりました」「給食試食会で、ぜひ食べてみたいです」などの声を頂き、嬉しくて泣きそうになりました…。本当に有難うございます!子どもたちだけでなく大人にも、少しでもいい変化があればと願っています。近々、保護者の方々に給食に関するアンケートを取らせて頂きたいと思いますので、忌憚のないご意見・ご感想を頂き、今後の参考にさせて頂ければと思います。玄米食は体にいいと言われていますが、単なる栄養価としての健康食ということではなく、魚一匹を頭からしっぽまで食べるように、玄米が「いのち丸ごと」であることが大事だと考えています。合掌して「いのち丸ごと」を頂く(よく噛む)こと。それが毎日の食育になるように、そして、こうした取り組みを通して、他の食材やその背景(生産加工調理など関わった人々、海や畑など育った環境、また歴史など)に気付き、感謝や頑張ろうという意欲、自信につながっていくように、日々の保育の中で、子どもたちに伝えていきたいと思います。
今年度は、畑や海、そして田んぼなどの行事を予定しています。中々の挑戦になりますが、それでも、子どもたちにぜひ経験してほしい、そうした自然の場だからこそ、おとなも子どもも楽しめるもの、気付けるものがあると思います。「いのち丸ごと」を「丸ごと」体験できるような一年にしたいと思います。