宗像市 保育園。自然の恵みを大事に心身共に健康な子どもたちを育むひかり幼育園へようこそ。

社会福祉法人 巌松福祉会 ひかり幼育園

かりのこ(園だより)より

食・畑・人がつながる

 9月24日の「畑で遊ぼう」で、みんなで蒔いたダイコンの種は、数日で芽を出し順調でしたが、10月に入ると、その葉っぱはダイコンハムシにほとんど食べられてしまいました。一本に数匹の虫という状態がほとんどで、その数が尋常ではありません!有機農家さんに聞くと、全国的に大発生で、農薬を使っている農家でさえ、ほぼ全滅という状況だそうです。ほとんど残っていない葉っぱにも、まだ虫はくっついていますが、ダイコンは生きています!身を太らせることは無理かもしれませんが、これからどうなるか最後まで見守りたいと思います。
ひかり幼育園の給食は9月から、有機農家である竹松農園さんとファームガーデンさんの野菜を中心に作られています。管理栄養士が事前に、次月納品できる野菜をお聞きし、それに合わせた献立を考えます。旬の野菜はその時期に収穫が続きますので、給食でも毎日どこかのメニューにその野菜が入っています。オクラの時は、どれもネバネバだったり!?
竹松農園の竹松さんとファームガーデンの伊津さんは、新たに有機農家として始められた宗像在住の方です。私と年齢も近いので気さくに話せることが有難いです。これまで話し合いを重ねてきましたが、最近では、農業福島園の福島さん(園のお米は全部こちらからです)も一緒に、毎月の集まりに参加しています。竹松さんは、自称「菌オタク」で、土の菌を研究しておられ、その話をされる時は特に目が輝いています。伊津さんは、寡黙な方で多くは話されませんが、実は自宅に手作りボルダリングウォールがあります!福島さんは、お酒は飲まないのに酒造りが夢で、それをかなえようとされています。畑のことや今からの子どもたちのことなどの話で盛り上がると、あっという間に時間が過ぎていきます。
今、みんなで話し合いながら、ひとつの取り組みをさらに深めていこうとしています。それは、保育園と有機農家の連携によって、子どもたちの食環境を変えていこうとする取り組みです。
連携によって、市場に合わせた多品目の野菜作りや売れ残り問題を抱えていた有機農家は、給食に合わせて、絞った品目を計画的に作ることができ、しかも袋詰めやラベル張り、配達など、農作業とは別の作業に追われなくなります。安定的にできるとなれば、新規就農者も増えて、耕作放棄地などの活用や自然環境の変化などもあるかもしれません。また、保育園は、給食が変わるだけでなく、生産者の姿など多くのことを食育として、子どもたちに伝えることができるようになります。そして、現在子どもたちに増えているアレルギーの改善など、幼少期の子どもたちに大切なしっかりとした身体作りにつながると思います。こうしたことが有機農家さんのアイディアから生まれてきました。食と畑と人がつながっていく取り組み、考えるととてもワクワクしてきます!
ちなみに、9月の「畑で遊ぼう」の畝たてで使わせて頂いた鍬は、有機農家さんたちが快く貸してくれたものでした。そのうちに、一緒に農作業をやれたらいいなと思っています。
             園長 堤 智行